看護師研修の方法の一つとして、プリセプターシップがあります。
これは、新人看護師をマンツーマン体制で教育する研修システムで、一対一の関係で教育することにより、個人の長所を伸ばしながら、問題点を的確に見つけ出して改善を図ることが出来る利点があります。研修を受ける新人看護師にとっても、様々な疑問点をすぐに確認できる他、細かい指導を受けられることで短期間での技能習得が可能になります。仕事に必要な技能以外にも看護師としての心構えを学ぶことが出来るので、人間的な意味での成長も見込めるのが大きな魅力です。そのため、プリセプターシップは優秀な看護師の育成方法としても注目されています。
その一方で、プリセプターシップは、集団型の看護師研修とは異なる欠点があるので注意が必要です。一対一で研修を行う形になることから、新人と指導係との相性の良し悪しが結果に直結します。いくら優秀な指導係でも、関係が悪いと教わる側も研修内容が身に付きません。また、指導係の教え方に問題があると、間違った知識を覚えてしまう可能性があります。
看護師は人の命に関わる仕事なので、正しい知識や技能を一切の瑕疵無く習得する必要があります。そのため、プリセプターシップを研修に取り入れる場合は、指導係選びに細心の注意を払うことが大切です。プリセプターシップは、研修のために指導係が新人看護師につきっきりになるので、人員が不足している医療機関では導入が難しいことも併せて注意しておきましょう。